05942-200712 前期に実施した1年生向けゼミの様子が垣間見える後期ゼミ「履修志望書」を公開します
成蹊大学法学部では、4学年すべてでゼミを開講しています。
2020年度後期(9月〜)にshio.iconが担当する1年生向けのゼミを履修したい学生たちから履修志望書が提出されました。その中には前期にもshio.iconのゼミを履修している学生が含まれており、大学入学直後の1年生前期にshio.iconが行っているゼミの様子を垣間見ることができます。提出者から個別に公開の許諾を得ましたので、その志望書を(匿名化して)転載いたします。履修志望書は「800字程度」とされていますが、みなさんそれを上回る文字数、書いているところも好印象です。
1年前期のゼミでは、憲法、刑法、そして民法の本質と構造を、学生たち自身で見出すよう、導いております。教員が教えるのではなく、学生たちが自ら見出していくのがゼミであり、shio.iconはそのコーチです。
Aさん
私は塩澤先生のゼミに所属したいと考えております。
前期のゼミでは、とても基本的なことを教えて頂いたと思います。分からない事があれば辞書をひいて調べるなど、法律についてだけでなく人として大切な事を教えて頂きました。高校卒業以降はそのような基本的な事を教えてくれる大人は減っていくのに対し、年齢が上がるにつれ知らないということが大きな損に繋がります。ですから、大学生のうちに社会に出ても恥ずかしくないようなスキルや知識、考え方をこれからもShioゼミで身に付けたいです。
他のゼミに所属している友人達に話を聞くと、大半は週ごとに課題が出され1コマの授業内で議論と先生の解説まで終わらせるので予習もサブゼミもしないとのことでした。一方Shioゼミは学生達が納得し解決するまで話し合う事ができるので、先生が教えてくれるからと甘えた姿勢にならないのが受け身な私にとって刺激となりました。
塩澤先生の授業は、学生の考える過程に重きを置いていると思います。幼稚園から高校のように先生が1から10まで教えず、学生達が自力で解決する力を身に付けられるようにあえて教えすぎないという授業方法はゼミの本来のありかたのように感じます。とは言っても塩澤先生は学生を放置し過ぎず、私達が行き詰まり本来すべき議論から脱線した際には軌道修正を施すようなアドバイスをして下さるので実践的な学びの経験値になるとこの文章を書いていて改めて思いました。
サブゼミの班で集めた材料を持って自信満々にゼミに挑むも自分たちが間違っていた事に気付いて少し凹み、反省することも私はやりがいがあって楽しいと感じますし学生のうちにトライアンドエラーを沢山経験しておくのはとても良いことなのではないかと思います。
今他のゼミに入ったら授業内容や進め方にどこか物足りないと感じてしまうと思います。前期では残念ながら機会がありませんでしたがShioゼミの先輩方のお話も直接お聞きしたいです。大学生はよく人生の夏休みと揶揄されますが、私は大学時代に遊び過ぎて卒業後に自分に何も残らなかったことを後悔したくありません。私は大学時代にこれを研究した、成長できたと胸を張れるように精一杯Shioゼミで学びたいと考えております。ご検討よろしくお願いします。
Bさん
自分で考えるという機会を他の演習のクラスよりも与えてくれるため、事例について深く考えられるので最終的には自分の考えのどこが論理的でなかったのかなどを理解でき、身についたと実感できる点が魅力だと思ったからである。なぜ魅力的だと思い、このクラスを受講したいのかを記す。
1 何のために授業を受けるか明確な点
私は途中からShioゼミに入ったが、何のために授業を受けるかが明確な点で感銘を受けた。なぜなら私が履修しているX先生のゼミでは、「先に重要な点を教える」という授業形式で物事の根本的なことを考えなくても良かったため、起訴するための知識を身につけられたのは良いが、判例について深く考えずに、文言型に則り機械的に答えを出すので、日常で考えるなどの応用はできなかったからだ。私は今まで、何に対しても先に答えを提示し、その解答までの道筋を考えることでその問題について理解し、知識を身に着けてきた。だが、塩澤先生の民法の授業では、「答えはない。自分で考えるんだ」と言われ、変わらなければと思った。そして、Shioゼミに参加してから、そもそも刑法とは何ぞや、と考えたこともなかったことを問題として出されたり、身近なことを例にして三段論法を用いて考えてみたり、大変だったがとてもやりがいがあった。また、日常的なことも三段論法を用い説明できると知り、最近は考えることが多くなり、日々成長している実感があり嬉しい。
私は機械的なことが得意なので、X先生の授業はとても肌に合っていた。だが、これからの私が自分らしく生きるため、と言っては大げさだが、「自分で考えられるようになる」ためにShioのゼミで学ぶことで自分を磨くことができると思ったので、Shioのゼミを受けたいと思った。
2 人と話す点
私がShioゼミで学びたい理由は議論の時間がたくさんある点だ。なぜ私はこの意見なのか、なぜ友達の意見だと思わなかったかを一つひとつ一緒に潰す作業は楽しい。だが、ゼミでの刑法の時間で、一つひとつ潰していったはずなのに全部検討してないだろうとダメだしされた。たしかに私は友達の意見の検討はしたけれど判例全体の検討はしていないと反省し、論理的な思考を身に着けるためには、まだまだShioから学びたいと改めて感じた。
以上、Shioゼミの特徴がとても私を成長させると思い、Shioゼミを受講したいと思った理由である。
Cさん
私が塩澤先生のゼミを希望する理由は二つあります。
一つ目は、文章を書く力をつけたいからです。前期、塩澤先生のゼミに参加して、文章を書く力をつけることの大切さに改めて気づかせていただきました。私はもともと文章を書くことに苦手意識があり、課題などでいつも苦労していました。これから大学以外でも文章を書かなければならない場面はたくさんあると思います。塩澤先生のゼミでは判決文を自分の言葉で書き換えたり、一つの議題について自分の考えを論じる機会などを数多く設けてくださいます。そのため、自分の考えを言語化し、文章化して相手に伝えるということを練習できるのは塩澤先生のゼミだと思いました。
二つ目は、他の学生たちと、直接意見交換をすることのできる場だからです。私が履修している講義の中に議論をすることを中心としたものが無いので、とても貴重な場になっていました。自分とは全く別の考え方や感性を持った人と出会うことができ、その意見に共感する部分もあり、とても良い刺激になります。加えて、たくさんの意見を聞くことができるので様々な視点から物事を見る力を伸ばすこともできると思います。班に分かれることで学生同士の仲も深まり、班でサブゼミをし、準備をしてから本ゼミを行うので、本ゼミでは密度の高い議論をすることができます。
塩澤先生のゼミでは、失敗を恐れずに発言するということをとても大切にしていたので、自分が思ったことや考えたことを発信しやすい空気感でゼミを行うことができます。「間違っていても大丈夫」と思うことで発言することへの抵抗が減り、成長することができると思いました。前期の塩澤先生のゼミはとてもアットホームな空気感だったので、前向きにゼミに参加することができました。やらなければいけないという感覚から、自分から挑戦しようという感覚に変わってきているので、前期の短い間でしたが、少しは成長できたのではないかと感じました。
後期も塩澤先生のゼミで文章を書く力、自分の考えを発信する力を身に付けていきたいです。よろしくお願い致します。
Dさん
私は塩澤先生の演習ⅠBの履修を志望します。
私は現在、塩澤先生のゼミを履修しています。そこでは、法学を研究する上で必要な基礎知識や考え方などをゼミのメンバーとの議論を通じて学んでいます。中でも議論の時間では、自分と異なる意見を聞いたときや自分の考えが間違っていたときには新たな発見があり、学ぶことも非常に多いため、楽しく議論を行うことができています。前期のゼミに入って最も為になったことは、今後の大学生活に活きる学び方や考え方を知ることができた点です。法学の基本的な考え方はもちろん、学習をサポートするPCやWebサービスなどの効果的な使用方法も今後につながる重要な知識だと思いました。
今回のゼミでは、今までのように憲法、民法、刑法のすべてを扱うのではなく、著作権法を中心に扱うため、法学の中でも民法についてより深く理解できるのではないかと考えています。SNSが身近になったことや大学のレポートでの引用についての注意などで、著作権という単語をよく聞くようになりましたが、著作権法に関しては全く具体的な知識がありません。趣味が音楽なので、将来的に作詞・作曲もしてみたいと考えており、そういったことに深く関わる著作権法を学ぶことができることも魅力的に感じました。
私は大学受験の段階で受験する学部は法学部のみと決めていました。現時点では法曹関係の職を目指しています。塩澤先生のゼミではOB・OGの方々とのつながりが強く、先輩方から様々なお話を聞くことができるとおっしゃっていたので、それはこの先非常に有利に働くと思いました。それだけでなく、自分の考えを文章化する能力の強化にも力を入れているので、論述に早いうちから慣れておくという点に関しても大きな武器になると考えています。
前期のゼミでの体験、今回のゼミで取り上げるテーマへの強い関心、そして将来に向けた自らの力の養成などの理由から、今後も塩澤先生の下で法学を研究していきたいと強く思い、志望させていただきました。よろしくお願いいたします。